パティシエはそんなにナイフを使う機会がない。せいぜい生地を切り分けるとかフルーツをカットするとか。だからこれまでナイフが切れないと思ったことがなかったし、包丁を研いだこともなかった。
この前オレンジのカットをしていたら、キュイジーヌのシェフにじーっと手元を見られ、「そうじゃない!」とダメだしをくらってしまった。それで私のナイフを手に取ると、「ナンだこれは?パティシエのナイフか?」と。=切れない包丁ってこと?
目の前にあったもう1本のナイフを研ぎ機代わりにシャッシャッと研ぎ始める。
パティシエの世界では見たことのない光景。
たった10秒シェフの手にかかった私のナイフは、それはもう感動するぐらいの切れ味に生まれ変わっていたのだった!魔法でもかけたのかと思うぐらい。去っていくおじいちゃんシェフの後姿が輝いて見えました・・・。
そしてわかったこと。ナイフが切れると作業が楽しくなるのだ。
力を入れずに綺麗に切れるんだから、いきなり腕が上がったのかと勘違いもしたくなる。
キュイジニエさんたちがしょっちゅうシャカシャカ研いでいるのはこういう訳だったのか。
今日は包丁研ぎマシンでしっかり研いでもらったので、明日からの野菜切りが一段と楽しくなるかもしれない♪